葛西臨海公園のヤブキリを求めて(1)
葛西臨海公園に行ってきた。そして惨敗した…
少し前から、葛西臨海公園のヤブキリは特殊な個体群らしいという情報を知って、是非とも見てみたい、飼育観察してみたいと思っていた。
というわけで5月下旬、多大な犠牲を払い、葛西臨海公園に行ってきたのである。

葛西臨海公園 過去一度、まだ小さかった頃に行ったことがある。
『昆虫採集はほとんど運であり、経験則として、「あの虫を見つけてやる」と期待するほどダメである。』とか、以前本に書いていたことを思い出す。
失敗する予感がする。期待しすぎないようにしないと…
とりあえず道を歩きながら、藪を見て回る。
しばらく歩いていると、上の池の付近に出た。

カマキリ
まずは目についたのがこのカマキリ。どうせオオカマキリだろうと思ったらチョウセンカマキリもいるらしい。残念ながらこの段階の幼虫の幼虫を判別する能力は持ってない。

アオモンイトトンボ
池の周りで多くの個体が見られた。ほんとにたくさんいた。

♀未成熟個体 結構美しいトンボだった。
その後海岸に向かい歩いていると、藪の中でこんな枝を見つけた。

サトクダマキモドキの産卵痕 初めて見たかもしれない。
サトクダマキモドキの産卵痕があった。脱皮殻があるということは、もう孵化しているのだろう。
それにしても、枝についている膜翅目?は一体なんだろう?
海岸を歩く。ある目的の虫がいるので岩の隙間などを見ていると、

キアゲハ
キアゲハの幼虫がいた。波打ち際すぐそばなのに、こんな環境でよく生きられるな…と感心する。
そして狙いの虫は、思ったより簡単に姿を見せた。

イソハエトリ
海岸性のハエトリグモ イソハエトリである。特徴的な糸疣の付け根も僅かに見られる。

黒い、素早い、撮りづらい。ただ個体数は多かった。
一度見てみたかったが、無事見ることができてよかった。
そんなことをしているうちに、気づいたら昼。
雨が降るはずが、空は晴れている。
まだほとんど成果がなく焦っていたが、これで午後からも活動できる。
ちなみに葛西臨海公園に多いというホシベニカミキリや、過去一例記録があるクロツヤコオロギ(流石に見られるわけない)も狙っているが、そちらも全く見られる気配がない。
とにかく狙いをヤブキリに絞って、低木にいるであろうヤブキリを探す。

ナナフシモドキ
異常に多い。場所によっては一帯の樹木の葉がほとんど食い尽くされていた。

オナガグモ
低木の樹間に多くいる。褐色の個体も数匹いた。
少し開けた場所に出ると、

ツチイナゴ
ツチイナゴが飛び回っている。トノサマバッタみたい。
しばらく歩き回りながら樹上を眺める。
ふと視線を落とすと、葉に小さな直翅が止まっていた。

サトクダマキモドキ
実は近所で幼虫が全然見られず、今年初めて見た。海岸でも普通に生息しているようだ。
その付近で、糸で作られた隠れ家を見つける。中身を調べようとすると、思った以上に大型のクモが飛び出てきた。

アシナガコマチグモ
初見のアシナガコマチグモだった。足が長いせいかすごい迫力。思ったより綺麗だった。
近頃小型のクモしか見ていなかったせいか、かなり大きく感じられた。
しかし、すぐにアシナガコマチグモよりも大型のクモに出会う。

なんとアシダカグモが止まっていた。多分今まで見てきた個体の中では一番大きい。側を徘徊していたベンケイガニ?よりも大きい。慌てて撮ろうとしたが、この一枚のみですぐに岩の影に隠れてしまった。アシダカグモを見るのはだいぶ前の愛知、昨年の山梨に続いて三度目である。
しかし、ヤブキリは全然いない。
地表、低木、樹上の三つに分けて探しているが、近所で探すのとは違い、全く姿を見せない。アジサイとかに絶対いると思うんだけどな…
その時、足元で何かが動いた。

なんだクビキリギスか…とはならない。
なんでこの時期に幼虫がいるんだ?
今は確かに5月下旬のはずである。今家で飼っているクビキリギスも、一昨日近所で見たクビキリギスも確かに成虫だった。…どういうことか?幼虫越冬だとすると、終齢では遅すぎるため、若齢〜中齢で越冬した個体?そうでないと今年の3月くらいに孵化した個体?わけがわからない。
周辺を探すも、この個体しか見られなかった。
ふと時計を見ると、時刻は午後3時になっていた。
制限時間は3時…時間である。
ヤブキリはいなかった。
といった感じで、虫自体は多く見られたが、目的のヤブキリには出会えなかった。
何が悪かったのか?時期?場所?
非常に残念である。
来年はもっと早い時期に来てみようかな…
今年の直翅 まとめ〜2022〜
今年見られた直翅
今年見られた直翅まとめ。「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」を参考にまとめた。
目視で確認し、同定したもの
1 マダラカマドウマ
2 カマドウマ
3 クラズミウマ
4 ナミヤブキリ
(トウホクヤブキリ?)
5 ヒガシキリギリス
6 ヒメギス
7 コバネヒメギス
8 クサキリ
9 ヒメクサキリ
10 クビキリギス
11 ホシササキリ
12 ウスイロササキリ
13 オナガササキリ
14 ササキリ
15 ハヤシノウマオイ
16 セスジササキリモドキ
17 ヒメツユムシ
18 キタササキリモドキ
19 ツユムシ
20 アシグロツユムシ
21 セスジツユムシ
22 サトクダマキモドキ
23 エンマコオロギ
24 タンボコオロギ
25 モリオカメコオロギ
26 ハラオカメコオロギ
27 タンボオカメコオロギ
28 ミツカドコオロギ
29 ツヅレサセコオロギ
30 クマスズムシ
31 アオマツムシ
32 カヤコオロギ
33 カンタン
34 ヤマトヒバリ
35 キンヒバリ
36 クサヒバリ
37 ウスグモスズ
38 ヤチスズ
39 マダラスズ
40 シバスズ
41 ヒゲシロスズ
42 カネタタキ
43 ノミバッタ
44 ハラヒシバッタ
45 ハネナガヒシバッタ
46 オンブバッタ
47 フキバッタsp
48 ヤマトフキバッタ
49 ツチイナゴ
50 コバネイナゴ
51 ハネナガイナゴ
52 ショウリョウバッタ
53 ショウリョウバッタモドキ
54 ヒナバッタ
55 トノサマバッタ
56 クルマバッタ
57 クルマバッタモドキ
58 イボバッタ
鳴き声のみの確認、または明確に同定できなかったもの
1 タニガワハラミドリヒメギス?
2 カワラエンマコオロギ
3 クマコオロギ
4 カワラスズ
5 エゾスズ
6 ヒロバネカンタン?
飼育個体のみ確認
1 クツワムシ
2 フタホシコオロギ
3 ヨーロッパイエコオロギ
4 クチナガコオロギ
5 マツムシ
6 リュウキュウサワマツムシ
7 スズムシ
以上。大体去年見たいと思っていた直翅の多くは見つけることができたからまあいいかな。普通種は多く確認できた。他にもっと珍しい種も見つけたかったが、関東の都市部では難しい。
来年、再来年も頑張りたい。
