カウモチサイ

おもに身近なクモや直翅類などのブログです。

年越し2023〜2024

明けましておめでとうございます(もう3月になっている…)

初日の出 昨年と同じ地点にて

年越しした直翅は少ない。ヤマトヒバリ、コバネイナゴ、アシグロツユムシあたりが12月まで頑張っていたが、常温だと厳しかったようだ。

ホシササキリ

11月29日?採集♂

おそらく新成虫で採集した個体。12月上旬頃から鳴き出し、特に弱る様子もなく年越し。2月頃までに触覚が短くなり、動きも鈍ったがまだ鳴き続け、3月6日に亡くなった。

12月上旬採集♀

捕まえた時はすでに成虫だった。早い段階で後脚を一本失い、もうダメかと思ったが、若干適当な飼育環境でも元気なまま年を越した。年越し後も元気なままで、やがて♂の方がボロボロになっても脚以外の目立った欠損がなく、なんと今でも生き続けている。(3月15日現在)

まだ問題なく壁面に登ったり、水を飲んだり、食事も硬いものでなければ問題ないようだ。

3月11日撮影 腹部などが黒ずんできてはいるが、まだまだ元気そうだ。

さて、昨年は色々あったが、今はようやく落ち着いてきた。

今年はまた葛西臨海公園に行ってみようと思う。もうそろそろ建て替えが近いため、今のうちに探しておきたい。

ガタカンタンを探しに行きたかったが、どうやら無理なようだ。

他にもオオオカメの飼育、山地性、北方系のオニグモなど…色々ある。

まあ、ブログの更新等はできるようになるかな?

今年も自己満足で頑張ろうと思う。

今年の直翅 まとめ〜2023〜

今年見られた直翅まとめ。クモやその他虫もまとめたかったが、時間の都合上無理。

N‥初見の種

目視で確認し、同定したもの

1 ハネナシコロギス N

2 マダラカマドウマ

3 カマドウマ

4 クラズミウ

5 ヤブキリ(関東平地個体群)

6 ヒガシキリギリス

7 ヒメギス

8 コバネヒメギス

9 クサキリ

10 クビキリギス

11 ササキリ

12 オナガササキリ

13 ウスイロササキリ

14 ホシササキリ

15 ハヤシノウマオイ

16 セスジササキリモドキ

17 ツユムシ

18 アシグロツユムシ

19 セスジツユムシ

20 サトクダマキモドキ

21 クツワムシ N

22 エンマコオロギ

23 タンボコオロギ

24 ハラオカメコオロギ

25 モリオカメコオロギ

26 ミツカドコオロギ

27 オオオカメコオロギ N

28 ツヅレサセコオロギ

29 クマスズムシ

30 アオマツムシ

31 カヤコオロギ

32 ヤマトヒバリ

33 エゾスズ

34 ヤチスズ

35 キンヒバリ

36 クサヒバリ

37 マダラスズ

38 シバスズ

49 ヒゲシロスズ

40 ウスグモスズ

41 キアシヒバリモドキ

42 カネタタキ

43 ケラ N

44 オンブバッタ

45 アカハネオンブバッタ N

46 ヤマトフキバッタ

47 コバネイナゴ

48 ハネナガイナゴ

49 ツチイナゴ

50 ヒナバッタ

51 ショウリョウバッタモドキ

52 ショウリョウバッタ

53 クルマバッタ

54 クルマバッタモドキ

55 イボバッタ

56 トノサマバッタ

57 ハラヒシバッタ

58 トゲヒシバッタ

鳴き声、死骸、痕跡のみの確認、未同定、累代飼育個体等

1 キリギリス(近畿地方の個体群) N

2 ヒメクサキリ

3 フタツトゲササキリ N

4 ヤマクダマキモドキ N

5 スズムシ

6 マツムシ

7 カンタン

8 カワラスズ N

9 サッポロフキバッタ N

10 ヒメオンブバッタ N

11 タンボコオロギ?

12 コバネヒシバッタ?

13 ハネナガヒシバッタ?

14 アリツカコオロギsp

15   ハヤシウマ?

合計 58種+15種=73種

 

 

 

エゾスズ

エゾスズ Pteronemobius yezoensis

♀成虫 4月30日 (飼育下)

♂終齢幼虫 5月8日 (飼育下)

 

体長 7〜10mm程度

成虫が出現する季節 大体5〜7月頃

分布 北海道、本州、四国、九州

鳴き声 ジージーという感じだが、不規則に変化するらしい。

 

特徴、類似種

基本的に真っ黒で比較的大型な地表性スズ類の一種。

♀成虫でわかりやすいが、前翅の屈曲部が白くなっている。黒くてよく目立つが、体色には変異があるようで必ずしも真っ黒ではない。

他のヤチスズ亜科のスズ、特に同属のヤチスズ類に似るが、出現時期が早いことなどから見分けられる。

生態

山地の湿地で見られ、やや局所的だが平地でも見られる。雑食性でいろんなものを食べる。土中産卵で、夏頃孵化した幼虫はそのまま亜終齢手前くらいまで成長し幼虫越冬する。成虫は5〜7月頃に発生する。

生息環境

主に山地の湿地だが、平地でも見られる。ただ平地での分布は局所的なようで、ある程度大きさがあって環境が良い湿地でないと生息していないようである。地表に生息し、湿っていて枯れ草が束になっているような場所に多くいる。

この湿地は環境が良いが、小規模なため個体数が少ない。4月9日 標高100m

小さな流れのそばの枯れ草に多かった。 3月21日 標高110m程度

採集

生息地を歩いていると普通に飛び出してくるので、さほど難しくない。ただ草が伸びて探しにくく、見つけにくくなるため、採集する時期は冬季が良い。かなり素早く見失いやすいが、網などを使えば捕まえやすい。

飼育

湿らせた環境で土を敷いて飼育する。飼育に失敗したのでよくわからないことも多いが、基本的には飼いやすい。ただ水分不足、エサ不足には弱いらしく、油断するとすぐに全滅する。腹部の状態や動きなどからなんとなく異変に気づけるが、それからでは大体手遅れ。湿らせているつもりでも、3日に一回くらいは霧吹きをするなど、まめな管理が必要。暑さや過密にも弱い。

老齢幼虫 3月21日

採集時このくらいだったが、飼育は失敗。しっかり飼うなら多めに採集し、♂♀の比率も考える必要がある。

葛西臨海公園のヤブキリを求めて(1)

葛西臨海公園に行ってきた。そして惨敗した…

 

少し前から、葛西臨海公園のヤブキリは特殊な個体群らしいという情報を知って、是非とも見てみたい、飼ってみたいと思っていた。

というのも近所で見られるヤブキリがあまりに普通すぎて、ヤマヤブキリ等の生息地もかなり離れている上、情報がほぼ無いのだ。そのため、どこか近くでorientalis種群以外のヤブキリを見てみたかった。

というわけで5月下旬、多大な犠牲を払い、葛西臨海公園に行ってきたのである。

葛西臨海公園 過去一度、まだ小さかった頃に行ったことがある。

 

『昆虫採集はほとんど運であり、経験則として、「あの虫を見つけてやる」と期待するほどダメである。』とか、以前本に書いていたことを思い出す。

失敗する予感がする。期待しすぎないようにしないと…

 

とりあえず道を歩きながら、藪を見て回る。完全に不審者。

しばらく歩いていると、上の池の付近に出た。

カマキリ

まずは目についたのがこのカマキリ。どうせオオカマキリだろうと思ったらチョウセンカマキリもいるらしい。残念ながらこの段階の幼虫の幼虫を判別するだけの能力は持ってない。

せめて前脚付け根の色や頭部の形がわかればな〜

アオモンイトトンボ

池の周りで多くの個体が見られた。ほんとにたくさんいた。

♀未成熟個体 結構美しいトンボだった。

その後海岸に向かい歩いていると、藪の中でこんな枝を見つけた。

サトクダマキモドキの産卵痕 初めて見たかもしれない。

サトクダマキモドキの産卵痕があった。脱皮殻があるということは、もう孵化しているのだろう。

それにしても、枝についている膜翅目と思われる虫は一体なんだろう?

 

海岸を歩く。ある目的の虫がいるので岩の隙間などを見ていると、

キアゲハ

キアゲハの幼虫がいた。波打ち際すぐそばなのに、こんな環境でよく生きられるな…と感心する。

そして狙いの虫は、思ったより簡単に姿を見せた。

イソハエトリ

海岸性のハエトリグモ イソハエトリである。特徴的な糸疣の付け根も僅かに見られる。

黒い、素早い、撮りづらい。ただ個体数は多かった。

一度見てみたかったが、無事見ることができてよかった。

 

いた。

 

 

フナムシ……じゃなくて、尾肢と触角が短いのでキタフナムシ

小さかったらまだいいんだけど、大きさと動きがちょっと…すごく沢山いるからさらに…

(今思い返してみると、よくここまで近づいて撮れたなと思う。)

 

そんなことをしているうちに、気づいたら昼である。

雨が降るはずが、空は晴れている。やっぱり天気予報は信用できない。

まだほとんど成果がなく焦っていたが、これで午後からも活動できる。

ちなみに葛西臨海公園に多いというホシベニカミキリや、過去一例記録があるクロツヤコオロギ(流石に見られるわけない)も狙っているが、そちらも全く見られる気配がない。

とにかく狙いをヤブキリに絞って、樹上にいるであろうヤブキリを探す。

ナナフシモドキ

異常に多い。場所によっては一帯の樹木の葉がほとんど食い尽くされていた。

オナガグモ

低木の樹間にかなり多くいる。褐色の個体も数匹いた。

少し開けた場所に出ると、 

ツチイナゴ

ツチイナゴが飛び回っている。トノサマバッタみたい。

 

しばらく歩き回りながら樹上を眺める。

ふと視線を落とすと、葉に小さな幼虫が止まっていた。

サトクダマキモドキ

実は近所で幼虫が全然見られず、今年初めて見た。海岸でも普通に生息しているようだ。

その付近で、糸で作られた隠れ家を見つける。中身を調べようとすると、思った以上に大型のクモが飛び出てきた。

アシナガコマチグモ

初見のアシナガコマチグモだった。足が長いせいかすごい迫力。思ったより綺麗だった。

近頃小型のクモしか見ていなかったせいか、かなり大きく感じられた。

しかし、すぐにアシナガコマチグモよりも大型のクモに出会った。

アシダカグモ

なんとアシダカグモが止まっていた。多分今まで見てきた個体の中では一番大きい。そばを徘徊していたベンケイガニ?よりも大きい。慌てて撮ろうとしたが、この一枚のみですぐに岩の影に隠れてしまった。アシダカグモを見るのはだいぶ前の愛知、昨年の山梨に続いて三度目である。

しかし、ヤブキリは全然いない。

地表、低木、樹上の三つに分けて探しているが、近所で探すのとは違い、全く姿を見せない。ガクアジサイとかに絶対いると思うんだけどな…

その時、足元で何かが動いた。

クビキリギス

なんだクビキリギスか…とはならない。

なんでこの時期に幼虫がいるんだ!?

おかしい、今は確かに5月下旬のはずである。今家で飼っているクビキリギスも、一昨日近所で見たクビキリギスも確かに成虫だった。…どういうことか?幼虫越冬だとすると、終齢では遅すぎるため、若齢〜中齢で越冬した個体?そうでないと考えると今年の3月くらいに孵化した個体?わけがわからない。

周辺を探すも、この個体しか見られなかった。

 

 

ふと時計を見ると、時刻は午後3時になっていた。

制限時間は3時…時間である。

ヤブキリはいなかった。

 

といったっ感じで、虫自体は多く見られたが、目的のヤブキリには出会えなかった。

何が悪かったのか?時期?場所?おそらく、「期待しすぎたこと」だろう。

非常に残念である。

来年はもっと早い時期に来てみようかな…

クビキリギス

クビキリギス Euconocephalus varius

♀成虫 緑色型 3月16日

♂成虫 褐色型 3月16日

 

頭頂から翅端まで 50〜60mm程度

成虫が出現する季節 9月〜翌年の7月 活動期は3〜7月頃

分布 北海道、本州、四国、九州、南西諸島

鳴き声 ジィーーーーと高い音で連続して鳴く。秋に少しだけ鳴いたり、秋〜春などの季節に一声だけ「ジッ」と鳴いたり、朝の明るい時間に非常に活発に鳴いたりと不思議なことが多い。私は夕方に鳴いている個体も見つけたことがある。

特徴、類似種

比較的都会でも普通な、細長い体型のキリギリス。

他のクサキリ類に似るが、頭頂が尖っており、口が赤いのでよく見れば判別は難しくない。ただ、小笠原諸島、南西諸島、本州、四国、九州南部の一部では、非常によく似たオガサワラクビキリギスが生息する。翅端がやや尖り、産卵管が長く、少し大型で鳴き声も多少違うらしい。褐色の個体と緑色の個体、稀にピンク色の個体がいる。

生態

様々な草地に生息する。明るい草地では普通に見られ、都市部でも生息している。草食性が強い雑食性で、野生ではイネ科植物の穂などを食べる。成虫はイネ科植物の葉鞘などに産卵する。夏に孵化した幼虫は秋頃羽化し、そのまま越冬する。(幼虫越冬もあるらしい)成虫は3〜7月頃活動する。

生息環境

様々な草地環境で見られ、特に明るく湿った環境では非常に個体数が多くなる。冬は少し隅になっているところや暗いところに多い。

採集

大型でキリギリスのようにすばやく逃げたり、下に向かって隠れたりしないので非常に容易に捕獲できる。藪の奥にいる個体などは捕獲しにくいが、そこまでしなくてもいるところにはいる。夜は鳴いている個体がわかりやすく、簡単に見つかる。ただ飛翔力が結構あるので、油断していると遠くへ飛んでいってしまう。

飼育

ある程度の大きさのケースで適当に飼える。暑さ寒さにも強く、乾燥させてもある程度耐えられる。

イネ科植物の柔らかい茎、葉、穂などを食べるが、それ以外にもヤングコーンや麸なども好んで食べる。個体によっては野菜も食べる。動物質の餌も一応食べるので、たまにメダカ、金魚、スズムシの餌等を与えてみると良いかもしれない。冬は加温すれば活動するが、基本的に餌や水もほとんどとらずに越冬する。

体色

クビキリギスの体色は変異が多い。一般的に多く見られるのは褐色型の♂、緑色型で背中に線がある♂、緑色型の♀など。しかし稀にピンク色の個体が見られることがあり、ピンク色の中でも、ややピンクがかった緑色型、褐色型、薄いピンク色や赤色(ピンクと濃褐色タイプが混ざったような個体?)など変異がある。背中に線がある緑色型のタイプは♂で多く見られるが、♀は少なく、逆に線が入っていない緑色型の♂もあまり見られない。褐色型の♀はさらに珍しく、ほとんど見られないらしい。

♂成虫 濃褐色型 10月23日

♂成虫 褐色型 3月18日

♂成虫 緑色型(背中に線があるタイプ) 3月18日

♀成虫 緑色型 5月31日

翅端と産卵菅

赤く特徴的な口 頭頂は尖る

鳴く♂ 4月30日

春の直翅を探しに

久しぶりに時間ができたので、春の直翅を探しに少し離れた湿地や草原がある場所にやってきた。

桜が咲いている。この場所の桜にしては例年より早い気がする。

少し移動して森の中へ行くと、一面にカタクリが咲いていた。

あたりを探してみるも何もいない。ヒラタアブすらいない。

セイヨウカタクリ

さらに移動し、ちょっとした丘で生き物を探す。以前はカントウアオオサムシなども見られたのだが…

草原に足を踏み入れる

草の陰で何かとても小さいものが跳ねたので、見てみると、

ヒナバッタ 1齢幼虫

これは以前から結構探していたが、結構家の周りでは少なく、やっと見つけられた。それにしてもかわいい。

そしてそのすぐそばで、

ヤブキリ 1齢幼虫

こちらも野外初確認。近所では成虫は多く見られるものの、幼虫を見たことはない。個体数は少なかったが、低木がまばらに生えた丘という環境で成虫がどのように生息しているか興味深い。

そのまま探すと枯れたススキの影からキンヒバリに似た直翅が飛び出した。一瞬で逃げられたため、あたりを探す。

クビキリギス

最近こいつをよく見る気がする。でも乾燥した環境で見たのは久しぶり。

そして探すこと約30分。ついに「キンヒバリっぽいよくわかんないヒバリモドキ」を捕まえることができた。

キアシヒバリモドキ (時間がなかったため自宅で撮影)

生息環境から一瞬カヤヒバリだったりするかもしれないと期待したが、出てきたのはキアシヒバリモドキの幼虫だった。期待はずれだったが、とにかく1ペア揃ったので飼育してみよう。

丘はちょうど日当たりの良い南向きの斜面になっており、まばらに穴が空いている。もしかするとクロツヤコオロギが生息しているかもしれないと、石をどけたり穴を掘り起こしてみたりするが全く出てこない。しかしこんなものを見つけられた。

ビロウドサシガメ

ヤスデとかを食べる変わったサシガメ。見つけた地域では結構希少らしい。

 

そのまま探すもクロツヤコオロギは見つからない。そもそもこの辺りはクロツヤコオロギの生息域なのだろうか?確か北限は山梨や茨城の一部らしいが、北上しているだろうし今ではどの辺だろう?八王子あたりではいるらしいが、さらに内陸であるこの辺にはいるのかわからない。

 

さらに移動し田んぼや池などがある湿地にやってきた。キンヒバリやタンボコオロギなどがいて結構いい湿地なのだが、果たして今の時期に何かいるのか。まず聞こえてくるのはタンボコオロギの合唱ではなく…

アズマヒキガエルの合唱だった。

こうみると正直背中とかちょっと気持ち悪い。

そこらじゅうにいる。ちょうどピークだったようだ。

以前…12月にキンヒバリを見つけたあたりを探す。

なぜか明らかに個体数が増えている。軽く網を振っただけで5匹くらい網に入った。

タンボコオロギはいない。去年の5月くらいに来たときはたくさん鳴いていたが、今は全く見つからない。

夏にはヨシが生えている場所をを探すと真っ黒なヒバリモドキが跳ねた。

エゾスズ

なんとなく去年の記憶を思い出した。去年のタンボコオロギが鳴いていた頃に、湿地の隅で一瞬だけ小さなヒバリモドキの幼虫を見つけたことを…そう、確かその時はキンヒバリを探すのに夢中でほとんど気にしなかったが、よく考えてみればあれはエゾスズの幼虫だったのだ。

思わぬ発見である。残りの限られた時間で少数を捕獲する。

こんな環境にいた。夏になるとヨシが茂り、水没して入れなくなる。

 

今日はヤブキリやヒメギスを確認しようくらいにしか思っていなかったが、思った以上に多くの虫が見られた。いつもは全然虫が見つからないが、たまにはこういうこともある。

近所の湿地で

家から徒歩5分くらいのところに、小さな湿地がある。

住宅地に囲まれており、今まであまり気にしていなかったが、去年にはカンタンやヤブキリという、大きさと場所からは想像できないような生物が鳴いていたので、少し調べてみた。

ヒメギス1齢幼虫

ヤブキリまで鳴いていたのでそこまで驚かないが、ヒメギスがいた。非常に個体密度が高い。

ヒメギス 2齢幼虫?

流石に早い。この日は3月17日である。なんと3齢相当の個体までおり、成長速度から考えると2月に孵化しているくらいではないか。

湿地名物クビキリギス

そして湿地の奥の枯れたガマを軽く踏むと…

キンヒバリ 亜終齢幼虫?

なんとキンヒバリがいた。こんな小さな湿地で、しかも住宅地の中なのに。私が知っている他の生息地は一番近いところでも3kmほども離れている。

個体数が多い、さっと足を踏み入れるだけで数十匹出てくる。

流石にキンヒバリがいたことは驚いたが、ただそれだけではなく、なんと成虫まで見つかった。

(あまりに撮影しづらかったため、自宅で撮影)

今まで見た越冬形態は幼虫だけだったが、ここでは成虫も見られた。同じ地域の産地でも何が違うのだろうか?

 

とにかく、この湿地では予想以上に多くの生き物が見られた。まさかこんな場所が近所にあるとは…これからも観察していきたい。