カウモチサイ

おもに身近なクモや直翅類などのブログです。

春の直翅を探しに

久しぶりに時間ができたので、春の直翅を探しに少し離れた湿地や草原がある場所にやってきた。

桜が咲いている。この場所の桜にしては例年より早い気がする。

少し移動して森の中へ行くと、一面にカタクリが咲いていた。

あたりを探してみるも何もいない。ヒラタアブすらいない。

セイヨウカタクリ

さらに移動し、ちょっとした丘で生き物を探す。以前はカントウアオオサムシなども見られたのだが…

草原に足を踏み入れる

草の陰で何かとても小さいものが跳ねたので、見てみると、

ヒナバッタ 1齢幼虫

これは以前から結構探していたが、結構家の周りでは少なく、やっと見つけられた。それにしてもかわいい。

そしてそのすぐそばで、

ヤブキリ 1齢幼虫

こちらも野外初確認。近所では成虫は多く見られるものの、幼虫を見たことはない。個体数は少なかったが、低木がまばらに生えた丘という環境で成虫がどのように生息しているか興味深い。

そのまま探すと枯れたススキの影からキンヒバリに似た直翅が飛び出した。一瞬で逃げられたため、あたりを探す。

クビキリギス

最近こいつをよく見る気がする。でも乾燥した環境で見たのは久しぶり。

そして探すこと約30分。ついに「キンヒバリっぽいよくわかんないヒバリモドキ」を捕まえることができた。

キアシヒバリモドキ (時間がなかったため自宅で撮影)

生息環境から一瞬カヤヒバリだったりするかもしれないと期待したが、出てきたのはキアシヒバリモドキの幼虫だった。期待はずれだったが、とにかく1ペア揃ったので飼育してみよう。

丘はちょうど日当たりの良い南向きの斜面になっており、まばらに穴が空いている。もしかするとクロツヤコオロギが生息しているかもしれないと、石をどけたり穴を掘り起こしてみたりするが全く出てこない。しかしこんなものを見つけられた。

ビロウドサシガメ

ヤスデとかを食べる変わったサシガメ。見つけた地域では結構希少らしい。

 

そのまま探すもクロツヤコオロギは見つからない。そもそもこの辺りはクロツヤコオロギの生息域なのだろうか?確か北限は山梨や茨城の一部らしいが、北上しているだろうし今ではどの辺だろう?八王子あたりではいるらしいが、さらに内陸であるこの辺にはいるのかわからない。

 

さらに移動し田んぼや池などがある湿地にやってきた。キンヒバリやタンボコオロギなどがいて結構いい湿地なのだが、果たして今の時期に何かいるのか。まず聞こえてくるのはタンボコオロギの合唱ではなく…

アズマヒキガエルの合唱だった。

こうみると正直背中とかちょっと気持ち悪い。

そこらじゅうにいる。ちょうどピークだったようだ。

以前…12月にキンヒバリを見つけたあたりを探す。

なぜか明らかに個体数が増えている。軽く網を振っただけで5匹くらい網に入った。

タンボコオロギはいない。去年の5月くらいに来たときはたくさん鳴いていたが、今は全く見つからない。

夏にはヨシが生えている場所をを探すと真っ黒なヒバリモドキが跳ねた。

エゾスズ

なんとなく去年の記憶を思い出した。去年のタンボコオロギが鳴いていた頃に、湿地の隅で一瞬だけ小さなヒバリモドキの幼虫を見つけたことを…そう、確かその時はキンヒバリを探すのに夢中でほとんど気にしなかったが、よく考えてみればあれはエゾスズの幼虫だったのだ。

思わぬ発見である。残りの限られた時間で少数を捕獲する。

こんな環境にいた。夏になるとヨシが茂り、水没して入れなくなる。

 

今日はヤブキリやヒメギスを確認しようくらいにしか思っていなかったが、思った以上に多くの虫が見られた。いつもは全然虫が見つからないが、たまにはこういうこともある。