カウモチサイ

おもに身近なクモや直翅類などのブログです。

エゾスズ

エゾスズ Pteronemobius yezoensis

♀成虫 4月30日 (飼育下)

♂終齢幼虫 5月8日 (飼育下)

 

体長 7〜10mm程度

成虫が出現する季節 大体5〜7月頃

分布 北海道、本州、四国、九州

鳴き声 ジージーという感じだが、不規則に変化するらしい。

 

特徴、類似種

基本的に真っ黒で比較的大型な地表性スズ類の一種。

♀成虫でわかりやすいが、前翅の屈曲部が白くなっている。黒くてよく目立つが、体色には変異があるようで必ずしも真っ黒ではない。

他のヤチスズ亜科のスズ、特に同属のヤチスズ類に似るが、出現時期が早いことなどから見分けられる。

生態

山地の湿地で見られ、やや局所的だが平地でも見られる。雑食性でいろんなものを食べる。土中産卵で、夏頃孵化した幼虫はそのまま亜終齢手前くらいまで成長し幼虫越冬する。成虫は5〜7月頃に発生する。

生息環境

主に山地の湿地だが、平地でも見られる。ただ平地での分布は局所的なようで、ある程度大きさがあって環境が良い湿地でないと生息していないようである。地表に生息し、湿っていて枯れ草が束になっているような場所に多くいる。

この湿地は環境が良いが、小規模なため個体数が少ない。4月9日 標高100m

小さな流れのそばの枯れ草に多かった。 3月21日 標高110m程度

採集

生息地を歩いていると普通に飛び出してくるので、さほど難しくない。ただ草が伸びて探しにくく、見つけにくくなるため、採集する時期は冬季が良い。かなり素早く見失いやすいが、網などを使えば捕まえやすい。

飼育

湿らせた環境で土を敷いて飼育する。飼育に失敗したのでよくわからないことも多いが、基本的には飼いやすい。ただ水分不足、エサ不足には弱いらしく、油断するとすぐに全滅する。腹部の状態や動きなどからなんとなく異変に気づけるが、それからでは大体手遅れ。湿らせているつもりでも、3日に一回くらいは霧吹きをするなど、まめな管理が必要。暑さや過密にも弱い。

老齢幼虫 3月21日

採集時このくらいだったが、飼育は失敗。しっかり飼うなら多めに採集し、♂♀の比率も考える必要がある。