カウモチサイ

おもに身近なクモや直翅類などのブログです。

クビキリギス

クビキリギス Euconocephalus varius

♀成虫 緑色型 3月16日

♂成虫 褐色型 3月16日

 

頭頂から翅端まで 50〜60mm程度

成虫が出現する季節 9月〜翌年の7月 活動期は3〜7月頃

分布 北海道、本州、四国、九州、南西諸島

鳴き声 ジィーーーーと高い音で連続して鳴く。秋に少しだけ鳴いたり、秋〜春などの季節に一声だけ「ジッ」と鳴いたり、朝の明るい時間に非常に活発に鳴いたりと不思議なことが多い。私は夕方に鳴いている個体も見つけたことがある。

特徴、類似種

比較的都会でも普通な、細長い体型のキリギリス。

他のクサキリ類に似るが、頭頂が尖っており、口が赤いのでよく見れば判別は難しくない。ただ、小笠原諸島、南西諸島、本州、四国、九州南部の一部では、非常によく似たオガサワラクビキリギスが生息する。翅端がやや尖り、産卵管が長く、少し大型で鳴き声も多少違うらしい。褐色の個体と緑色の個体、稀にピンク色の個体がいる。

生態

様々な草地に生息する。明るい草地では普通に見られ、都市部でも生息している。草食性が強い雑食性で、野生ではイネ科植物の穂などを食べる。成虫はイネ科植物の葉鞘などに産卵する。夏に孵化した幼虫は秋頃羽化し、そのまま越冬する。(幼虫越冬もあるらしい)成虫は3〜7月頃活動する。

生息環境

様々な草地環境で見られ、特に明るく湿った環境では非常に個体数が多くなる。冬は少し隅になっているところや暗いところに多い。

採集

大型でキリギリスのようにすばやく逃げたり、下に向かって隠れたりしないので非常に容易に捕獲できる。藪の奥にいる個体などは捕獲しにくいが、そこまでしなくてもいるところにはいる。夜は鳴いている個体がわかりやすく、簡単に見つかる。ただ飛翔力が結構あるので、油断していると遠くへ飛んでいってしまう。

飼育

ある程度の大きさのケースで適当に飼える。暑さ寒さにも強く、乾燥させてもある程度耐えられる。

イネ科植物の柔らかい茎、葉、穂などを食べるが、それ以外にもヤングコーンや麸なども好んで食べる。個体によっては野菜も食べる。動物質の餌も一応食べるので、たまにメダカ、金魚、スズムシの餌等を与えてみると良いかもしれない。冬は加温すれば活動するが、基本的に餌や水もほとんどとらずに越冬する。

体色

クビキリギスの体色は変異が多い。一般的に多く見られるのは褐色型の♂、緑色型で背中に線がある♂、緑色型の♀など。しかし稀にピンク色の個体が見られることがあり、ピンク色の中でも、ややピンクがかった緑色型、褐色型、薄いピンク色や赤色(ピンクと濃褐色タイプが混ざったような個体?)など変異がある。背中に線がある緑色型のタイプは♂で多く見られるが、♀は少なく、逆に線が入っていない緑色型の♂もあまり見られない。褐色型の♀はさらに珍しく、ほとんど見られないらしい。

♂成虫 濃褐色型 10月23日

♂成虫 褐色型 3月18日

♂成虫 緑色型(背中に線があるタイプ) 3月18日

♀成虫 緑色型 5月31日

翅端と産卵菅

赤く特徴的な口 頭頂は尖る

鳴く♂ 4月30日