カウモチサイ

おもに身近なクモや直翅類などのブログです。

12月の湿地でキンヒバリを探す

12月24日。ついにキンヒバリを探しに行く機会を得た。早速今年の春にキンヒバリを確認している谷戸の湿地へ向かう。

早速以前見つけた場所の周辺を探す、何もいない。何もいない…なにもいない…?

必死に辺りを探すもいない。仕方なく周辺を回ることにした。

アキアカネ

まだこの時期にもいるのかー。12月の上旬くらいはまだ普通にいるけど、ここまで遅い時期に見たのは初めて。

シマアメンボ

いままで何回かシマアメンボは見てきたけど、この個体は、すごい大きくてずっしりしていた。

氷の上を歩くクビキリギス

既に探し始めてから2時間近く経つが、一向に見つからない。

枯れ草の下が水だったりして探しにくい。

そして視線を落とすと…

あ、いた

やっと見つけられた。急いで確保し、他の個体を探す。不思議なことに、あれほど見つからなかったのにどんどん見つかっていく。

これはクリスマスプレゼントだ。大切に飼おう。

今年のクモ〜2022〜

さて、気付いたら今年ももう終わりに近づいているので、一年間で見られたクモ、その中でも特に珍しいもの、嬉しかったものをまとめてみようかと思う。まあ今年は直翅ばかり追いかけていたので、あまり多くはいない。

マメイタイセキグモ

希少種。2個体も見られた。間違いなく今年一番の成果。

オオトリノフンダマシ

かなりずっと追いかけていた種。変な匂いする。でもなんか見た目が良い。

シロオビトリノフンダマシ

トリノフンダマシ系で初めて見た種。

イシサワオニグモ

今年唯一見た大型の山地性オニグモ

アシダカグモ

あまりに近所にアシダカが居ない。旅行へ行った先で見た。

ワスレナグモ

今年も♀が見られた。今度は初夏くらいに。雄も初めて見られた。

ヨツボシサラグモ

ブナ帯で発見

大体このくらい。飼育した種といえばオニグモ、オオヒメグモ、スズミグモ、マメイタイセキグモ、アシダカグモくらいで少ない。コガネグモが見られなかったのは残念だった。今年も追いかけていたヤマオニグモなどの山地性のオニグモは追加で発見できなかったので、また来年、いや、来年は忙しいので再来年にでも探してみようと思う。

マメイタイセキグモ

 

マメイタイセキグモ

オス 1.6~2mm

メス 5.5~9mm 

出現する季節 7~9月

分布 本州、四国、九州、南西諸島

 

マメイタイセキグモは、日本に二種類しかいないイセキグモ属のクモの一つ。褐色で腹部がでこぼこした小さなクモで、粘球を吊るした、「投げ縄」で獲物を捕らえる。

採集記録がとても少ない希少種で「日本七大珍種」の一つ。

 

上の写真の個体は、8月に背の高いイネ科やキク科の生えた草地で発見した。葉の裏に卵が吊るされていたので、近くを探してみると上の個体がいた。


さらに、翌日一個体目を見つけた場所からあまり離れていない草地で、ススキの葉の裏にとまっている二個体目を発見。珍しいクモのはずなんだけどな…

 

飼育

園芸用スポンジに足場としてイネ科植物を挿したこのような飼育ケースで飼育してみた。

投げ縄を使って獲物を捕らえる様子を観察したいと思い、このケースで観察した。

 

エサとして、蛾と蚊を与えてみた。(詳しい種類はしっかり調べていないのでわからない)しばらくたっても、蚊は食べられず、蛾のほうも大半は食べられなかった、数日後、弱った一匹の蛾がクモの張った糸に絡まっていたので、そのまま様子を見ていると、夜になってマメイタイセキグモが蛾を食べている様子を観察できた。

糸に絡まっている蛾に近寄り、そのままかみついて捕食した。他のコガネグモ科のクモとは違い、糸で獲物を巻き付けることはしなかった。

翌朝確認してみると、蛾は形を大体とどめたまま死んでいましたが、結局糸は巻かれていなかった。その後は、飼育していて獲物を捕食していたのは観察できなかった。

 

結局、9月3日まで飼育してみましたが、1度しか獲物を捕らえず、どんどん痩せていったので野外に逃がした。1回だけしか飼育していないが、観察していても何もなく、獲物を捕らえないので、飼育は難しい印象だった。

さて、今回はマメイタイセキグモを2匹も見つけ、飼育にも挑戦することができた。珍しいクモなので、次いつ見られるかは分からないけど、今回2匹を発見したのは環境も良く、簡単に見つけられたので、もしかしたらまた近いうちに見られるかもしれない。

朽木が良いらしい

セスジツユムシが産卵しない。

11月の中旬ごろ捕まえた個体たちだったが、園芸スポンジもダメ、水苔もダメだった。考えた挙句、昔クワガタを飼っていたときの朽木を使ってみることにした。

早速水につけた後、ケースに入れて様子を見る。

数分後…

もう産卵し始めた。

流石に早い。よっぽど朽木が良いようだ。

他の個体も寄ってきた。産卵中に接触し、産卵しながら『ジ、ビジッ』と鳴いていた。

現在朽木を入れてから2日ほど経つが、ケースを見るたびにほぼ必ず産卵している。飼育している3匹が全てそろっていることもあり、とても人気なようだ。

卵。大抵の卵はどこに産み付けられたのかわからない。

産卵の際、かなり上手くいかず産み落としていた。

 

さて、12月も中旬になってやっと産卵した。来年無事孵化するのだろうか。二年卵とかあったりするのかな?

サトクダマキモドキが...

10月も終わる頃、近所の公園でこの時期にしては珍しい大型直翅を見つけてしまった。

サトクダマキモドキ

ちょうど飼育にも空きがあったので連れ帰ってしまった。クダマキモドキ系の飼育は初めて。

レタスを食べる

割と幅のある大きなケースで飼育。餌はレタスとアカメガシワを中心的に与えた。一応順調に飼育できているようで、特に問題もなく11月になった…しかしそれから一週間ほど経った頃、ケースを見るとある異変に気づいた。

ひっくり返ってる、しかも足が取れてる。

落ちていた足を拾う。おかしい、明らかに噛み切られたものだ。不思議に思い、クダマキモドキを手に取ると、

間違い無く、自分の脚を噛もうとしていた。流石に驚き止めようとするも、とにかく前脚に噛みつこうとする。急いで水と餌を与えても、ほとんど反応せず脚に噛みつこうとした。結局どうすることもできず、しばらくしてから死んでしまった。

いったいどうしたんだろう?とにかくこの不可解なサトクダマキモドキの自傷が観察できた。しばらくクダマキモドキを飼育、観察する予定はないが、またいつか見るかもしれない。

元気だった頃のサトクダマキモドキ。可愛い。

いろんな直翅の卵 2022

今年撮影した直翅目の卵まとめ。

ヨーロッパイエコオロギ 

孵化直前  園芸スポンジはすごく産卵数が多かった。

カンタン  産卵痕。キク科の…なんだったっけ?

ウスイロササキリ 黒い。ヤブキリみたい。スポンジにはあんまり多く産卵しなかった。

オナガササキリ 多分これ死んでる。

ヒガシキリギリス 生きている卵は少なそうだった。

クルマバッタ トノサマより産卵数がかなり少ない

ヒメギス 卵まで真っ黒。      

ナミヤブキリ 乾燥させすぎたせいでへこんでる。

水で膨らんだので、多分生きてる。

キリギリス科の卵? なぜかヤブキリと同じところにあった。完全に正体不明。

セスジツユムシ 薄すぎる

スズムシ 

クマスズムシ  オギに産卵。成虫に齧られたり乾燥したりしたので、ほぼ孵化しないと思う。

ヒゲシロスズ  卵は思ったより小さくなかった。

〜ここから愛好家の方に見せてもらったもの〜

クツワムシ さすが大型種。卵も大きい。

マツムシ

エンマコオロギ

ツヅレサセコオロギ 

クチナガコオロギ 西日本の美声コオロギ。

大体こんなところ。まだいた気もする。

愛好家の方が飼育していたサワマツの若齢幼虫。

 

庭のオニグモたち

ふと数ヶ月野外で放置していたオニグモの卵が気になり、確認してみた...すると

ひと月ほど前は、まだ中に多くの子グモが詰まっていたけど、もういなくなっていた。いったいこの時期にどこへ行ったのだろう?

そのまま何かいないかと周辺を散策していると、キイチゴの葉に何か見慣れないものが止まっているのを見つけた。

鱗翅目の幼虫

なんだこれ?わからない。

・・・あとでBiomeに投稿して分かったことだが、「アカキリバ」であるとのこと。

ビジョオニグモ 

12月に成体を見たのは初めてかもしれない、庭では3年ぶりくらいに見られた。

かなり高い位置に網を張っていて、これくらい近づくのが限界だった。

 

キンカンの葉を見ると、明らかに庭では初めて見るクモを発見。

ムツボシオニグモ 

近頃よく見る小さな幼体。個人的には普通種。しかし庭では初めて見た。

ギンメッキゴミグモ 

超普通種、ギンメッキゴミグモ。 2ミリほどの極小の幼虫があちこちに網を張っていた。風が強く極小のため、撮影が難しい。

クロゴキ

車のタイヤのそばで死にかけ、ゴキ自体そこまで嫌いではないが、赤っぽいゴキの幼虫はなんか嫌いなので離れて撮影。

 

もう12月だというのに意外と虫がいた。飛んでいったオニグモの子グモたちは見られないだろうか…